スキップしてメイン コンテンツに移動

RAJGIR

 ブッダ・ガヤからは、日帰りでラージギルも訪れた。ラージギルには法華経の舞台となった霊鷲山ことグリッドラクータ山や、そのすぐ側には日本山妙法寺の建てた仏塔がある。
 ガヤからラージギルへは、近くの町のバス・ステーションまでオート・リキシャ(インドのトゥクトゥク)で向かい、そこからバスで2時間強かかる。
 日が暮れる前には戻ってこようと思っていたので、朝7時に宿を出て、路上喫茶店でチャイを飲みながら、居合わせた客にバス・ステーションまでの相場を聞いた。それから通りすがった流しのドライバーを捕まえ、バス・ステーションへ到着すると、タイミングよくラージギル行きのバスが出発するところであった。後でわかったのだが、ラージギル行きのバスは一日に何本もあるらしい。
 バスは見渡す限りの大地や農作地を快走し、途中の大小の町を中継しながら、10時過ぎにラージギルへと到着した。まわりの乗客や乗務員に促されて降ろされた場所は、駅のある中心部から1kmほど離れた温泉地の前だった。ここにはインドでは珍しい温泉が湧いているのだ。
 ガイドブックを持たずに来てしまい、目的の霊鷲山がどこにあるのかわからなかったので、とりあえず温泉施設のなかにはいると、たくさんのインド人が沐浴をしたり、体を洗ったり、なかには洗濯までしてるおばちゃんもいた。
 ちなみに温泉施設といっても、日本の銭湯のようなわけではなく、ヒンドゥー寺院のような建物で、例によってインチキ坊主がかってに家族の健康を祈りだし、寄進を要求してきたりするので、一瞬、浸かろうかなぁ、っと思ったが、面倒なのでやめといた。
 近くの付近を見渡せる小高い丘に登り、遊びに来ていたインド人の若者に霊鷲山の場所を訪ねてみたが、いまいちよくわからない。そこで丘をおりて、温泉地の目の前のレストランで昼食を食べつつ、給仕係に聞くと、霊鷲山は5kmほど離れているとのことで、馬車を頼んでもらうことにした。
 昼食後、待たせていた馬車に乗り、バスで来た道を引き返す形で、霊鷲山へ向かった。霊鷲山の参道へ向かう道路は整備されており、巨大な山門がそびえ立っていた。山頂へはロープウェイがあるということで、乗り場を探すと、ロープウェイというよりは、スキー場のリフトのようだった。
 怖い。スキー場ならともかく、下は岩山である。しかも此処はインド。安全対策は確実に期待できない。おそらく初めて乗るだろうインド人観光客のウキウキぶりとは対照的に、私の顔はきっとこれ以上なくひきつっていただろう。
 ロープウェイは霊鷲山ではなく、となりの日本山妙法寺のあるラトナギリに連結し、乗降場からほどなくして巨大な仏塔がみえた。仏塔で一息ついて、まわりを見渡すと、広大な草原を一望でき、風が心地よかった。
 妙法寺の寺院に参拝した後、霊鷲山へむかって、下山道をおりた。
 霊鷲山には巨大な岩が重なって小さな洞窟を形成しており、この中でブッダも風雨をしのぎ、瞑想をしていたのかと思うと感慨深かった。
 山頂には祭壇のようなものがもうけられ、そこでしばらくの間、かつての一人の男の苦悩に思いを馳せた。

このブログの人気の投稿

Insta360 ONE Rが故障しました

 2020年6月に購入したアクションカメラ「Insta360 ONE R」が故障しました。 アウトドア、特に水辺での活動中における動画撮影や、Googleマップのストリートビュー投稿に便利に活用していました。   ところが、今年に入ってスノートレッキング中に撮影をしようとしたところ、急に電源が落ちたと思ったら液晶をタップしてもボタンを押しても反応がありません。   このカメラの特徴は、コアと呼ばれる本体とレンズ・バッテリーを分離することが出来て、レンズは4K撮影ができる物と、360°撮影ができるレンズの2つが付いており、付け替えて撮影することが出来る点にあります。 頻繁に本体とカメラを外したり付けたりするコネクタ部分に若干の不安は感じていたので、接触不良を疑い、清掃してみましたが、改善しませんでした。 メーカーのホームページから修理に関する問い合わせをチャットで送ったところ、大変親切に対応してくださり、色々と試しましたが、結局本体とレンズを送って確認してもらうことになりました。 なお、中国の会社ですが、日本語対応可能な方もおり、応対になんの不安もありませんでした。 メーカーで故障状況を確認してもらったところ、残念ながら修理は不能で、コア(本体)部分のみ交換となりました。 保証期間は過ぎているので料金が発生します。 本体110ドル+輸送料11ドルで、PAYPALでの支払いにより、日本円にすると約19,000円でした。 ちなみにコアはリニューアル後の「ONR RS」というバージョンへの交換です。 レンズはこれまで使っていた旧機種のものを、そのまま使えます。 (レンズはR→RSへのバージョンアップ時に、何も変更がなかったのかしら?) メーカー公式ホームページで販売されているコアのみの価格が約30,000円なので良心的だと思いました。 無事に交換後の商品も届いて、早速試しましたが、問題なく使用できました。 最初に問い合わせをしてから、交換部品の到着まで約15日間。 私自身がのんびり対応していた事もあるので、日数はかかりましたが、非常にスムースに事が運んだように思います。 とても良いメーカーだと思いました。

旅の道具2

 旅の記録をつけたり、ブログを更新したり、暇をつぶしたり(笑)といろいろな用途で活躍するデジタルグッズ。 デジカメは他に防水の OPTIO WP をもっている。OPTIO WPは結構他の野宿旅の方やバックパッカーも使っている。当時このサイズで水中撮影すら可能な防水機能を持ったデジカメは他になかったので、発売後にすぐ定価で買った。今は動画をきれいに撮りたいと思い、サンヨーのザクティを購入した。旧型だが自分のパソコンも型が古い為、それほど高画質のムービーは扱えないだろうし、必要充分だと思う。ちなみにザクティは防水ではない。  出かけるたびに、どちらをもっていくか、はたまたどちらも持っていくか悩むが、長期の場合、やっぱり防水の安心感がまさって、OPTIOを持っていってしまう。結局、防水でよかったと思うシーンはそうはないのだが、雨が降った時に、慌ててカメラを処置しなくても良いというのは、なかなか心強い。  携帯は最近、ウィルコムのスマートフォン「Advanced W-zero3【es】(略してアドエス)」に機種変更した。 かれこれウィルコムの前身であるDDIポケット時代から10年以上契約しているが、スマートフォンは初めて使うこととなった。  旅先でもネットを利用した情報収集や、ブログの更新、メモなどの作業を手軽にできる機器が欲しかったのだが、なかなか決め手を欠いており、また特に必要には差し迫っていなかったので、実際に旅をしながら自分のスタイルにあった機材を導入しようと考えていたのだ。  候補はアドエス以外に、7月に発売を開始したiPhone、同じくアップル社のiPod touch、アドエスの後継機であるWILLCOM 3やEeePcなどのUMPC等もあげていた。  iPhoneやiPod touchは、わかりやすいインターフェイスや自宅のMacとの同期がしやすいなどの利点があったが、いかんせんiPhoneもiPod touchもデータを出力するだけの機材なのだ。基本的には入力はあくまでパソコンですることを前程に作られているように思える。その点、UMPCを利用すれば、当然キーボードを使った入力や、デジカメからデータを吸い上げてブログにのせる等、普通のパソコンと同様のことができる。  アドエスにも小さなキーボードは付いているが、一番のポイントはUMPCのようにデジカメ等、他の機...

LEATHERMAN(レザーマン) WAVE Black を購入

LEATHERMAN(レザーマン) WAVEを購入しました。 今時タバコの箱でサイズ感を掲載 割と野外で仕事をすることが多く、これまでは20年以上前にパチンコの景品でとったVICTORINOXビクトリノックスを愛用していましたが、以前よりペンチ(プライヤー)があったらなぁ〜っと感じる場面もあって、LEATHERMANが気になっていました。 今回晴れてお役御免のビクトリノックス 今回いよいよ愛用のビクトリノックスがくたびれてきたので、買い替えです。 買い替えに際し、LEATHERMAN以外にもプライヤー付きのマルチツールは安いモノでは数千円から、数万円まで幅があり、正直価格の高い安いでどれほど品質が違うものなのか、あるいは私の使用範囲ではどの程度のもので十分なのか判断がつきません。 ナイフ機能の比較。まぁ似たり寄ったりですがレザーマンのにはロック機構があります 唯一の基準、愛用のビクトリノックスは、定価では6〜7千円だったものと記憶しています。使用してきた感じ特に不都合はありませんでした。なので同じ価格帯のモノであれば、私の使用程度であれば十分だと考えました。 さて、予算は概ね決まったので、アマゾン他色んなサイトを物色します。 機能として必要なのは、子どもたちとの外遊びやキャンプ、カヤック、マウンテンバイク、イベント会場設営等で使用頻度の高かった、 ・ナイフ ・ハサミ ・ノコギリ に加えて今回の買い替えの主な動機「プライヤー」はマストです。次点で千枚通しや栓抜きくらいでしょうか。 ただ、このうちナイフは別途持っており、あってもなくても良いですが、大抵ついてきます。それを言い出すと全ての機能においてマルチツールは専用の道具に対して劣るものではありますが、それは置いておきましょう。 ノコギリを比較。 なお、LEATHERMANにはナイフ無しモデル(KNIFELESS REBERナイフレス リーバー)もあります。 プライヤー付きマルチツールは、GERBERガーバーなど色んなブランドがあり、価格も手頃なものがたくさん売っています。機能的にも十分そうです。 今回ナイフレスモデルも潔くていいなぁっと思った流れでLEATHERMANを購入しましたが、ガーバーでも良かったと今更ながら思います。...