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記憶

二本松の仮設住宅でお会いした、とある女性のお話。 -- 原発事故後、浪江町から避難を繰り返し、岳温泉の旅館にとどまっていた。 旅館では見知らぬ2名の女性と同室であった。 プライバシーのない空間で、一人が指輪が無くなったと言い、警察沙汰になった。 そんなこともあり、ぎすぎすした雰囲気に耐えられず、旅館を出た後、現在の仮設住宅に入居した。 母は横浜、山形と転々と避難し、山形の避難先で息を引き取った。 娘がお見舞いにいった際、「よく来てくれた」と言ったのが最後の言葉となった。 浪江町の住居は幸い津波の被害に遭わなかった。 入居している仮設住宅の他の方々から、畳がダメになったと言う話を聞くが、まだ自宅の畳は大丈夫で、先日、除湿剤を大量に部屋に残して来た。 除草剤も持って行ったが、庭にまくのを忘れて来てしまった。次回には忘れずにまいてこようと思っている。 今日は、先日、東京から来てくれた先生によるマッサージの様子をおさめた写真を取りにいく。近くの古本屋で大きく印刷してくれるように頼んだ。 仮設住宅へ入居後、イベントの模様などをたびたび写真に撮り、アルバムを作っている。 -- 彼女の記憶は、どこかに留めて置かれるのだろうか。 怒り、悲しみ、憎しみ、憂い、不安、喜び、それらの感情のうねりを、どこかに刻み付け、朽ちることの無いよう、残してはおけないだろうか。 小さく、黒い、淀んだ魂の記憶を、私の臓腑に押し込めて、留めては置けないものだろうか。