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KOLKATA DAYS












 ホテル・パラゴンには数名の日本人の他、韓国人の旅人もたくさんいる。なかには、すっかり沈没気味の韓国人(朝青龍似)もいて、欧米人やインド人にはきっと見分けがつかないだろう、東洋人の一団で和んでいる。

 そういう私もたいした観光もせずに、ダラダラと日々を過ごしている。7年ほど止めていたタバコにも、すっかり体が慣れてしまい、路上の喫茶店でチャイを飲みながら、または宿で語らいながら、安タバコを楽しんでいる。人にはさんざん止めろとかいいながら、このていたらく。まぁまぁ、おいらはそんなやつです。とはいえガンジャには、やっぱりなんとなく手がでない。偏見だと笑われそうだが、私は私なりでありたい。タバコで十分だよ。どっちも体に悪いには違いないがね。

 昨日今日と、重い腰を上げて出かけた先は、近所の公園と、カーリー寺院という、ヒンディーのお寺だ。公園にはイギリス統治時代の遺産であるヴィクトリア記念堂があり、放牧されている羊やフットボールやクリケットを楽しむ様子との対比が、おもしろい。

 カーリー寺院では、毎日、ヒンディーの女神であるカーリーの象徴の黒い石に、生け贄として捧げられるヤギの首をはねるそうだが、それも見ようと意気込んで、早朝6時から並んだのだものの、参拝に訪れた多数のインド人の圧倒的なパワーに負けて、結局、石だけを見て、すごすごと退散してきた。なにかものすっごく、気力と体力を奪われた。でも院内で、インド人にもみくちゃにされて、すこしこの国に来た実感がわいた気がする。

 朝は、市場にも出かけた。ニューマーケットの裏側にある食品市場は、肉、魚、野菜と、部門によって建物が違い、しかしどの市場も一様にけだるい雰囲気に包まれていたのは、私の訪れた時間が遅く、既に日差しが強く照りつけていたからか。

 それでも市場は、他のアジアの国々同様、人々の暮らしの一端が見えるようで、楽しい。近くに住んでいると思われる子供達からの歓迎を受けたほか、売り手のおじさん達も、通りすがりのひやかしの客を、比較的あたたかく迎えてくれた。

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