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仮設住宅の芋煮会

 先日、とある仮設住宅の自治会長さんにお話を伺いました。その日は、自治会の独力で初めて仮設住民だけの芋煮会が催されていました。
 いつもたくさんの方から支援を受けて、本当に有難く、嬉しく感じているいるそうですが、でもやっぱりちょっと遠慮する気持ちもあるそうです。
 1年と7ヶ月が過ぎて、初めて自分たちだけで、互いに支え合う取り組みができたことを、会長は「夢が叶った」と表現されていました。

 おっと、東北人以外の方に説明すると、「芋煮会」というのは、東北では定番の秋の行楽行事で、近所の方々や、会社の同僚、学校の友達同士など様々なコミュニティで数名〜数十名が集まり、キャンプ場や河原などで、大きな鍋で豚汁を作って食べるという、なんというか伝わらない気がしますが、秋のプチ・アウトドア・イベントなのです。


 そんな日常にありふれた他愛の無い行楽行事を「夢が叶った」と言わしめるほど、仮設住民の方々は逼迫しているのかと、あらためて現状の深刻さに言葉を失いました。

 ただ注意していただきたいのは、もちろんこれは現状の側面の一部だということです。
 「悲惨さ」を伝えることが、場合によっては被災地への偏見となりうる可能性もあることを前提に読んでいただきたいと思います。
 事実、ある別の方は「仮設近隣の方や仮設内でお友達になった方々に、とても良くしてもらって、仲良くなり、もうここを離れたくない」と笑顔でおっしゃらていました。
 自治会長自身も、今回の行事が1年と7ヶ月、お互いに支え合って暮らして来た一つの成果として、「かつて浪江町に住んでいたときも、ご近所同士でこれほどの密接な関係づくりはできなかった」と自治会の活動に確かな手応えを感じられていたようでした。

 いろいろと自治会長からお話を伺って、一番印象に残ったのは、1年と7ヶ月が過ぎて、「慣れたでしょう」とか「もう慣れましたか?」と言われるのが、本当につらいと言われていたことでした。

「仮設に住んでみたらわかる。全く先の見えない状況のなかで、何年住もうがとても慣れるものではない」

 私自身、今おかれている状況に慣れてしまってはいけないと、釘を刺された気持ちでした。まだまだこれから長く苦しい避難生活を送られていく方々がたくさんいます。自分に出来ること。ひとつひとつ続けていきたいと思います。

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